2012年2月の記事



変化への対応力

2012年2月29日 水曜日

天気予報通り東京は雪・・・こちらは既に8cmは積もっています。 やむ気配がないので、今回はどれくらい積もるのでしょうか。 先週は10度以上の日もあり、完全に春の気配でしたのでまさかこれほど降るとは、、、ちょっとびっくりです。

 

今年のアパレル業界は、この雪にも象徴される通り、春の立ち上がりが遅れています。 昨年までは暖冬(?)の様相も強く、年明けのセールでは中々冬物が売れず、すぐに春物商戦となっていたのが、今年の寒さによって冬物セールが大賑わい・・・中々春物が出せない(出さなくても良い)状況が続いていました。 やっと完全に春モードに切り替わったと思いきや、また冬に逆戻り・・・中々対応が難しいですね。

さて、こうした季節要因によって、冬物在庫が掃けるというメリットがあります。 あまり大きな声では言えませんが、セールではキャリー品(今年の商品でない以前の商品)が飛ぶように売れ、しかも昨年ほど割り引かなくても売れる・・・つまり、企業によっては、「積年の在庫が、少しでも多く利益を出す形で換金できる」 という嬉しい季節になったといえます(もちろん全ての企業ではありませんが)。

その一方で、春物が売れないというデメリットがあります。 今までの流れのように春の立ち上がりが早いと踏んで大きく発注していたら・・・今年の春物は在庫の山になる可能性があります。 ただ、冬物と春物を比べれば、冬物の方が在庫金額が高くなりますので、冬物が掃けた企業にとっては、それでも結果としては良かったということになるでしょう。

また、春から夏にかけての企画が遅れ遅れとなっているようです・・・つまり、今後の生産期間が短くなることで、初夏の商品が遅れる懸念が出ています。 さらに、もしも冷夏で秋が早いとなると、おそらく秋の立ち上がりにも影響が出てくるでしょう。 アパレル業界の多くはそれこそ半年前に動くようなサイクルのため、中々直近で修正できる企業は多くないというのが実情です。 だからこそ、対応力、適応力の高い企業が生き残っていくのだと思います。

さて、少し前に拝聴した大手コンサルティングファームの方の講演(アパレル関連の内容ではありませんが)では、これまでの日本は熱帯化がトレンドであったのが、実は今年から寒冷化に切り替わっているという説があると話されていました。 もしそうであるならば、今までは夏の熱中症対策に奔走していたのが、今度は冬の寒さ、除雪対策に奔走することになるという懸念があるということを意味しています。

例えば、燃料費増加を見込んでの予算確保、凍結防止策の予算確保(凍結による破損の修繕費用の確保)、除雪に要する人員・労働時間の確保、交通機関の乱れを加味した生産計画や納期短縮努力、雪に伴う事故への事前対策・・・などなど、思い浮かべるとどんどん出てきます。

皆様の会社は、環境変化を見込んだ事前の対応ができていますか?


地味に大変な調査

2012年2月27日 月曜日

最近、隣の市の割と大きな公園までウォーキングをしています。 先週と昨日行った時に、ちょうど通行量調査をやっていました。 公園の入口近くで椅子に座って、カウンターをカチャ、カチャ・・・おそらく、都か市の公園利用状況の調査なのだろうと思います。

通行量調査は、黙って座って、通行者を見ながらカウンターを押すだけ・・・といえばそれだけなのですが、中々忍耐力がいるものです。 足を組んで座ったり、何か食べたり飲んだり、携帯いじってたり・・・こんなことをしていると、大抵どこからかクレームを受けることになります。 ですから、ただただ黙って姿勢良く座りカウンターを押す・・・動き回らなくて良い分楽なようにも見えますが、この時期は体の芯から冷えますし、地味に大変な調査なのです。

少し覗いてみたところ、5連カウンターが10個も並んでいました。 随分細かく設計しているのかと思いましたが、調査員的には、間違えないよう押さなくてはならないため、一度に何人も通ると焦ってしまいます。

私も経験したことがあるのですが、とても興味深々のおじさまに 「何してるの?」 と話しかけられることがあります。 人がまばらで暇な時はこちらとしても嬉しいお話し相手になるのですが、人が沢山歩いているときは・・・。

もしも街でこうした光景を見かけたときには、遠くから温かい目で見守ってあげてください^^


価値とは?③

2012年2月23日 木曜日

パソコンのファイルを整理していたところ、私が実際に価値分析を行ったときのデータを見つけたので、少しご紹介したいと思います。

これは、2010年の秋頃、新しくテレビを購入する際に、どの機種にするか、どのお店で買えば良いか悩んだ結果、感覚だけで選んでは危険と考え、きちんと分析して結論を出そうと計算したものです。

この表だけを見ていても何のことやら・・・かもしれませんが、基本的な構成としては、 「魅力」 の段、「抵抗」 の段(2種類の抵抗)、それらを除した 「価値」 の段からなっています。 これらの関係は以前の記事ご参照ください↓↓↓

価値とは?① http://consult-k.jp/colum/?p=603

価値とは?② http://consult-k.jp/colum/?p=610

 

まず、「魅力」 としては、ハードディスクが内蔵されていたり、画質が良かったり、W録ができるようなものまで・・・これを、基準とするノーマルタイプ(青線で囲っています) と比べて、どれくらいの付加価値になっているか 「評価額」 として求めます。

次に、「抵抗①」 として、価格に関わる要素を検討します。 価格は、値下げによる変動とともに、ポイント還元、店頭での値引き交渉、さらには、長期保証を付けた際の還元率の減少や送料なども考慮して 「正味価格①」 を求めます。

ここで、「魅力 ÷ 抵抗①」 を計算すると、「価値①」 が求められます。 数値が高いほど価値が高いと判断しますので、この状況下では、「ヤマダ電気」 で 「R1」を購入するのが最良と判断できます。

しかし、価格以外にも 「抵抗」 があります。 私にとって最も抵抗となっている要素は、手配日数です。 ちょうどこの頃、エコポイント締切が迫るとともにどんどんテレビが売れていき、在庫が不足する事態となっていました。 安いけれども、追加生産後のお届けであったり、ネット上でトラブルが報じられていることによる心的負担など・・・こうした要素も金額換算して上乗せし、「正味価格②」 を求めます。

ここで、「魅力 ÷ 抵抗②」 を計算すると、「価値②」 が求められます。 「価値①」 と同様に、数値が高いほど価値が高いと判断しますので、この状況下では、「Bサプ」 で 「R1」 を購入するのが最良と判断できます(赤線で囲っています)。

実は、この時期は、価格やポイント還元率の変動が大きく、在庫もすぐになくなるため手配日数も日々変更している状況でした。 その変動を日々ウォッチしながら 「価値②」 を比較していき、10/20時点で底値と判断し、価値分析通りに購入しました。 参考までに、3日後確認したところ、値引額とポイント還元率が低下したことで、「価値②」 は大きく低下していました・・・結果論かもしれませんが、10/20に購入に踏み切ったことが正しかったようです。

複雑な要素が絡み合うケースの場合、さらに、今回のように在庫がなくなる懸念があるなどの緊迫した場面では、冷静に判断することが難しくなります。 そうした時には、こうした分析による客観的なデータがとても有効であるといえます。

これらの考え方の基本は、「魅力」 ÷ 「抵抗」 です。 皆様もこの考え方を工夫して、活用していただければと思います。


自立化支援の必要性

2012年2月21日 火曜日

2011年を振り返ると、私は21社の支援をさせていただきました。 その中には、1回切りの窓口相談的な支援もあれば、20回を超える継続的な支援もあります。

ある程度時間をかけて支援する場合、私は、例えば支援先の会議に参加して、ファシリテート役を務めつつ、社員の力を引き出しながらボトムアップ的に改善を図る・・・こうしたスタイルの支援を好んで行う (また、そうした依頼が多い) のですが、この時、必ず気を付けていることがあります。

それは、「依存させない」 ということです。

「頼られる」 という段階は良いのですが、大抵の場合 「依存」 に近付いていきます。 何をするにもまず相談がある、指示すると安心した表情を見せる・・・私の中では、こうした様子が見えたときは、社員だけで考えさせる、決めさせるようにするなど、ある程度突き放すようなことをします。 さらに、敢えて失敗させてそこから学ばせるようなこともします(・・・大変な事態にならないようセーフティネットをかけるなどのリスク管理はしています)。

往々にして支援はプロジェクトですから、いつかは終了するものです。 特に、支援機関を通して派遣される場合、間違いなく回数や期間の制限があります。 そうした時に、自身の力で立って歩ける状態になっていなければ、支援終了後ほどなく座り込んでしまいます(・・・残念ですが、こうした企業が非常に多いのが現実です)。 ですから、私は、専門的な知識やノウハウを伝える傍ら、自立に向けたリハビリ的な支援(私は、自立化支援と呼んでいます) を意図的に行っています。

専門家の支援を受けている企業様も多くいらっしゃると思いますが、「支援終了後、自身の力でやっていくには何が必要か?」 ということを常に意識しながら支援を受けられると、支援成果を着実に蓄積することができます。 ぜひ覚えておいていただきたいと思います。


黄色信号?

2012年2月19日 日曜日

只今山形に来ております。 日中は日が差していたこともあり、随分と雪解けが進んでいるようです。

新幹線から撮った上山城。

支援は明朝のため夜の移動でも大丈夫なのですが、実はお昼前に家を出たのでした・・・その目的は 温泉♪ 先日来の疲れを癒すために、支援先の近くにある天然温泉付きのホテルを予約しました。 特にこの時期の露天風呂は、黄金色の熱いお湯と真っ白な冷たい雪のコントラストが何とも心地よいのです♪

実は、この支援のための移動時間は片道6時間・・・「大変ですね!」 とよく驚かれます。 でも、楽しみなことがあると、長距離移動もあまり大変なこととは感じなくなるものです。 ちなみに、私が支援に行く楽しみは、支援先がどんどん好転していくのを目の当たりにすることにあります・・・温泉はちょっとしたスパイスです(念のため)。

さて、経営者の方で、「大変なこと」 をそのまま 「大変」、「辛いこと」 をそのまま 「辛い」 と感じている方はいませんか? もしそうならば、それは黄色信号です。 経営するということは、それこそ 「大変なこと」 の連続です。 それを大変と思わず、苦に思わずにいられるからこそ 「経営者」 であり 「リーダー」 なのです。

経営者の皆様へ。 経営することを 「大変」 と思わないための工夫・・・していますか?


地味な作業ほど・・・

2012年2月18日 土曜日

私はここ数日、報告書作成に追われていました。 件数としては3件とそれほど多くはないのですが、どれも詳細に記さなければならず、まあまあハードな数日を過ごしていました。

一番時間を要したものでは、20枚仕上げるのに、日数ベースでは2.5日、時間ベースでは32時間程かかりました・・・ということは、1日13時間近くパソコンに向かっていたことになります(今、自分でも驚きました・笑)。

こうした事務作業は、動き回らなくても良いし、誰かと話すこともないため、ある意味楽と思われるかもしれませんが、私たちが作成する報告書は、文章以外の要素も非常に多いため、大変細かい作業が要求されます。 例えば、投資効果を測定するために様々な計算式を入れた表を作ったり、具体的にイメージを伝えたい場合には絵を描いたりもします。

終わってみれば、手首と肘は腱鞘炎、腰は痛く、踏ん張って座っていたせいか膝痛と太腿の筋肉痛もあり、目は疲労とややドライアイ、ついでに言えば、寝食を忘れて取り組んでいたため、この3-4日で2kg 痩せていました(笑) ・・・という具合に、地味な作業ですが、意外にダメージがあるのです。

中小企業診断士を目指す方へ。 私たちの仕事の一面が少し伝わりましたでしょうか?

私が見聞きした中では、パソコン作業が苦手という中小企業診断士を目指す方(や成り立ての方)が結構いらっしゃいます。 中小企業診断士の能力は、コミュニケーション力や戦略策定力だけではありません・・・地味な作業をテキパキこなせる力も必要なのです。

苦手な方は少しずつでも訓練していただければと思います^^


製造物責任を追求されたら?

2012年2月15日 水曜日

いつも見ているドラマのお話。 主人公は女性でありながら警視庁捜査一課の主任。 男勝りのバリバリのキャリアウーマンでありながら、女性らしい身なりも忘れず、靴はヒールのあるパンプス。 事件解決後のエンディング。 階段を降りていると危うく転びそうになり、靴を見るとヒールが取れていて(事件発生時に買った靴なのでまだ数日しか経っていない靴)、「これで3足目・・・(涙)」 という落ち。

しかし、こうした時、現実的には大変困った事態となります。

一般的に靴のヒールが取れた後の展開としては、「買ったばかりの靴のヒールが取れた」 とお店にクレーム(・・・あのお店はどこかの百貨店の平場の靴売場でしょう)。 販売員はお客様に平謝りし、卸先に怒りの電話。 それを受けた卸先は販売員に平謝りし、メーカーに凄まじい勢いで怒りの電話。 すぐに卸先の責任者とメーカーの社長が、状況説明に伺う段取りをします。

ここで、品質管理が徹底されていないメーカーは困り果ててしまいます。

いくら聞かれても、原因を追及されても、製品検査等をして(結果を残して)いなければ、何も答えようがないのです。 しかも、謝れば済むというものでもなく、非もなく謝ってしまっては、その後の賠償も全て受け入れることになってしまいます。

今回のケースでは、反射神経も良く手すりを掴んで転倒を免れたため、平謝りしてお詫びのお菓子や新しい靴を差し上げる形で済むと思いますが(・・・なぜ済むかというと、損失が発生していないため訴えようがないからです)、これが転倒した場合そうはいきません。 下りでの転倒ですから、大怪我につながる可能性があります。 まして嫁入り前の若い女性ですから、顔に大きな傷を負うことにもなれば賠償も大変なものになります。

最終的には、製品検査等をしていない場合、「今まで事故はなかった」 とか 「きちんと製造しているはず」 くらいしか抗弁できないため、示談で提示された内容を全て受け入れざるを得なくなります。 また、販売店より、これまで販売した同型の商品(場合によっては同社が製造した全商品) の回収を通知される可能性が高く(費用負担は販売店⇒卸先⇒メーカーへ遡及して請求)、何かしらのペナルティ(取引停止等) も科せられることでしょう。 妄想は広がりますが、ヒールが取れた・折れたというのは それくらい恐ろしいことなのです(・・・業界関係者としては 笑って見ることができないシーンです)。

もしも品質管理が徹底されていれば、検査結果から品質基準を満たしていることを示した上で、販売店からお見舞いに伺う、無償で新しい靴と交換するなどの形で解決を図ることになります(・・・非はなくとも相手の感情に配慮することは必要でしょう)。

品質基準もない10年前は、階段にヒール部分を思いっきり打ちつけ 取れなければ問題なし・・・というような、ちょっと乱暴な抜き打ち検査をしたこともありますが、今ではレントゲンを導入し、ヒールを固定している釘の本数や入る角度・長さなどをチェックするという科学的な方法も一般的になってきました。 経費も手間もかかりますが、これも訴訟社会に備えてのことでしょう。

消費者の権利が強くなり、簡単に訴訟もできる昨今、中小・零細企業は一発で会社がなくなる事態にもなりかねません。 特に、人体に影響を及ぼす可能性のある商品を提供している方は、PL保険等に加入して万が一に備えることをお勧めいたします。


プチ・トラウマ

2012年2月12日 日曜日

最近耳にした言葉に 「プチ・トラウマ」 というものがあります。 トラウマとは、精神的な外傷を意味する言葉ですので、それにプチをつけて、トラウマとまではいかないけれど、ちょっとした傷になっているということでしょうか。

今日は、先月のリベンジのため、先月引き返した時と同じ席にしました(頑張れエンジン君)。

福島県までは青空で快調だったのですが、山形県に入るとちょっとヤバイ感じがする分厚い雪雲・・・。 すると、突然のアナウンスにちょっとびっくり。 なんてことはなく、「雪雲の中を航行するため揺れますが、運行に支障はありません」 とのこと。

その後も、アナウンスを知らせる 「ポン!」 という音が鳴る度に、「引き返す可能性がある」 と言われないかと思い、心臓がドキドキしていました。

もしかして、これはプチ・トラウマ??

天気のことなので仕方ないとはいえ、流石に2回連続支援に行けないのはマズイ・・・そうした思いがプレッシャーになってるんだろうなぁと分析しながらも、「ポン!」 という音が鳴る度に 「ビク!」 っとするのでした。。。


アウトプットとインプット

2012年2月11日 土曜日

私の仕事は、誰かに何かを教える・伝えること・・・その本質はアウトプットといえます。 しかし、当然のことながら、アウトプットのみをし続けることは適わず、定期的に様々な知識や情報を得るインプットが必要となります。

ちょうどこの時期は、展示会が目白押し・・・今年も行ってきました 「ギフト・ショー」。 http://www.giftshow.co.jp/tigs/73tigsinvitation/index.htm

ファッション、ステーショナリー、生活雑貨、輸入雑貨、インテリア、キッチン用品、玩具、ペット、健康関連・・・等々、ありとあらゆる分野の2500以上のブースがあり、3日間で延べ20万人の来場を見込む大規模な展示会です。

昨年は、ある支援先のためにバイヤー的な立場で行きましたが、今年は全くの視察・・・完全なる知識・感性のインプット目的で行ってきましたー♪

私が特に気に入ったのが、デザインマーケットへの提案を行っているエリア・・・「デザインの力によって新しい価値観を提案する」 とうたうだけあって、店頭では見たことがない新しい商品が数多くありました。 ちょっとした美術館・博物館のようで、時間を忘れて見入ってしまいました。 とても楽しかったです♪♪

私たちのような誰かに何かを教える・伝えるというような仕事の多くは、「アウトプットの質の低下」 という危険と背中合わせになっています。 常に、アウトプットとインプットのバランスを保ちながら、仕事に取り組みたいですね。


診断実習番外編

2012年2月09日 木曜日

第16期中小企業診断士養成課程
「経営戦略策定実習1」
日時/   平成24年1月27日(金)~
主催/   中小企業大学校 東京校

 

昨日で経営戦略策定実習が終了しました。 今回の実習は、11月に行った実習から引き続いて進める形でしたので、正味の実習期間に比べて随分長い時間かけて取り組んできました。 研修生の皆さま、大変おつかれ様でした m(_ _)m

もしかして、まだこのブログを見てくれている方もいたりして・・・と思い、こっそり番外編を記しておきます。 診断のプロセスや技法、考え方等々は実習期間中に伝えておりますので、別の観点からお伝えします。

今回、当班では、本店・支店の位置付けの違いから、それぞれに適した戦略を 「事業別戦略」 という形で提示しました。 しかしながら、両店ともに事業領域の大部分は同じであることから、「戦略」 というよりは、少し 「戦術」 寄りであったと思います。 つまり、純粋な戦略提案としては、「全社戦略」 の1つのみと言えます。

そこで、考えていただきたいのが 「戦略オプション」 です。

今回、モデルとしたのは 「広域型」 の支店タイプ。 それでは、「狭商圏型」 の本店タイプで展開した場合はどうなるのでしょうか? 代表的な戦略ツールで2つのタイプを比較しながら、今後の展開を考えてみたいと思います。

まず、PPMの観点で考えると、前者は、市場成長率が高いエリア(正確には、商圏をより広域に設定していくことで成長の低下をカバーする形)で高いシェアを確保する 「スター」 を志向し(→シェアの向上過程や競合との争いの中で 「問題児」 となる懸念がある)、後者は、市場成長率が低いエリア(限定された範囲)で高いシェアを確保する 「金のなる木」 を志向することになります。

また、コトラーの競争地位戦略の観点を加えて考えると、前者は、大手との差別化の中で存在感を示す 「チャレンジャー」 を志向し、後者は、細分化された狭商圏というセグメントで独占的地位を狙う 「ニッチャー」 を志向することになります。

さらに、ランチェスター戦略の観点を加えて考えると、前者は、より品揃えを絞り込み強みを際立たせ、大手との接近戦に持ち込むなどの 「弱者の戦略」 を志向し(→こうした観点から、あまりに商圏を広域に設定すると、より遠くの地域では強者に負ける懸念がある)、後者は、弱者に対する物量戦などの 「強者の戦略」 を志向することになります。

こうした観点から考えると、「狭商圏型」 は、大きな売上や今後の市場成長があまり望めないというデメリットの一方で、競合が少ないことによるローコスト運営(販促費用の低減、無用な低価格販売の回避など)、つまり、安定的な収益が確保できるというメリットがあります。 また、狭商圏であるため不確定要素も少なく、同一基準での多店舗展開を志向すれば、早期の事業拡大も望めます。

出店エリアとしては、山間部や沿岸部、商業が衰退した小規模都市など、流通の不便な地域が候補として挙げられます。 具体的には伏せますが、この県にはこうした地域が多く存在します。 こうした地域での獲得シェアを設定し(例えば安定目標の41.7%)、当店の目標利益が確保できる需要のあるエリアを出店基準として定めれば、出店候補地の選定がしやすくなります。 今回の実習では、競合による相性一覧表を提示しましたが、この場合は、地域による相性一覧表のようなものを提示することになるでしょう。

また、更なる狭商圏を志向すれば、移動販売による新たな業態の可能性を見出すこともできるため、狭商圏であっても将来の展開に広がりを持たせた戦略オプションを提示できると考えます。

徒然なるままに私の頭の中にあったことを記しましたが、他の視点で考えてみれば、また違ったオプションが出ると思います。 次回の戦略策定の折には、是非、戦略オプションを提示する(その後にそれらを評価して提示する) ことにチャレンジしていただければと思います。

それでは、こっそり番外編はここまで。 ご清聴ありがとうございました m(_ _)m  皆さまの更なる成長を楽しみにしております♪