18-消費税記事一覧



消費税率10%に伴う経済対策はさらに混迷・・・ (後編)

2018年11月23日 金曜日

(つづき)

支払の 5%ポイント還元 (ポイント利用分にポイント付与なし) の例で見てみます。

① 最初に、10,000円の商品を購入すると 500分ポイントが付きます。 ② 次に、ポイントを利用して 10,000円の商品を購入すると、支払 9,500円に 5%=475円分ポイントが付きます。 ③ 同様に、ポイントを利用して 10,000円の商品を購入すると、支払 9,525円に 5%=476円分ポイントが付きます。 ④ 最後に、きっちり使い切るために 476円の商品をポイントで購入して終了したとします。

ここまでの累計は、30,476円分の購入で 1,451円のポイントが使えたので、割引率は 4.76%ということになります。 また、最後はポイントを使いきれずに期限切れとなると、上記の例では、30,000円分の購入で 975円のポイントが使えたので、割引率は 3.25%ということになります。

つまり、5%ポイント還元といっても、消費者からすると、ポイントは使って初めて還元されたことになるので、、、割引率で考えると 4.76% や 3.25%など、どんなに頑張っても 5%にはならないのですよね^^;

また、キャッシュレス決済導入には助成金が使えるといっても、全額ではないため初期投資で自己負担が生じるでしょうし、、、これらを考え合わせると、キャッシュレス決済を導入せずとも、常に 4%引き(=キャッシュレス決済より+0.75%の負担) で販売する等の手法でも 十分に太刀打ちできる(顧客の流出を防げる) と思っています。

それどころか、キャッシュカード等を持たない新たな顧客が増やせるかもしれません。 ちなみに、ポイント制度を導入せずに 値引きで差別化を図る某家電量販店がありますよね ・・・実家では、ポイントをもらっても使うことがないということで、ここで洗濯機を買いました♪

このように、私は、キャッシュレス決済によるポイント還元を受けられない店だからといって、必ずしも商売上不利になるとは考えていませんので、、、少し時間を掛けて導入の是非を検討していただければと思っています。 ・・・予算編成があるので、年末にはもう少し確度の高い情報が出てくると思いますので、また対策を考えましょう^^ノ

(おわり)


消費税率10%に伴う経済対策はさらに混迷・・・ (前編)

2018年11月22日 木曜日

消費税率 10%への引き上げに際して、中小小売店等でキャッシュレス決済した場合、2%ポイント還元を行う方針を示していましたが、、、唐突に 5%ポイント還元を行う方針(2019年10月~2020年オリンピック開始前まで実施) を示しました。

買い物する立場でいえば 得だから良いとはいえ、プレミアム商品券も出すし、自治体ポイントも付けるらしいし、これだけばら撒いていていは、何のために税率を引き上げるのか分からないような気が・・・。 まあ、これも独裁政権を許した国民の責任ですかねぇ、、、ちなみに、私は与党側には投票しませんでしたけど(笑)

さて、そのような経済対策が決定された場合、キャッシュレス決済を導入していない店の対応ですが、、、

還元率 2%であれば、カード決済等の手数料の方が高いので、わざわざキャッシュレス決済は導入せずに、例えば その場で 2%引きで販売すれば、手数料負担よりも負担少なく、かつ、販促上の不利も生じませんが(寧ろ有利)、、、

還元率 5%となると、仮に 政府が要請している カード決済手数料の上限 3.25%で決定すれば、前述のような値引き(5%引き販売) で対応すると、カード決済等の手数料よりも 1.75%分負担が増すことになるので、、、キャッシュレス決済を導入するべきか 導入しなくても良いのか ちょっと考えどころ・・・。

さて、今回のポイント還元に限らず、ポイント制度には ちょっとした盲点があります。 それは、ポイントを使用できるのは次回の購入時(支払時) であり、その際は、多くの場合、純粋な支払額(=使用するポイント分を差し引いた金額) にポイントが付けられるということ。

この辺りを実際の数字で見てみましょう!

(つづく)


消費税の 「軽減税率制度」 の欠陥とその影響・・・

2018年11月09日 金曜日

昨日、国税庁が、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」 を更新しましたが、相変わらず多くの疑問は解消されていないのが正直なところ。

先月より 多くの番組で取り上げていますが、「軽減税率制度」 を導入している欧州諸国では、複雑で分かり難い・導入すべきでなかった等の意見が多く挙がっており、今さら止められないので続けているといった側面もある制度なのですよね^^;

また、欧州諸国では取り止める動きが出ているにも関わらず 「日本もサマータイム導入すべき」 との意見を出すなど、どうも我が国の政権与党や官僚は 時代遅れの感が否めませんが、、、欠陥があろうと破たんしていようと、彼らがやるといえばやることになるので、国民としては従わざるを得ないのが残念なところ><;

さて、『消費税の課税事業者で 【簡易課税制度】 を選択している事業者』 は、「軽減税率制度」 の欠陥により、今後 影響が出るかもしれない部分があります。

まず、【簡易課税制度】 で示されている仕入率は、、、例えば 『ピザ屋さん』 で見てみると、店内での飲食は 60%(第4種事業)、飲食するための設備のある店が行う宅配は(店内飲食の延長サービスと考え 店内飲食と同じに) 60%(第4種事業)、テイクアウトは 70%(第3種事業)、飲食するための設備がない店が行う宅配は(飲食店ではないと考え テイクアウトと同じに) 70%(第3種事業) ・・・となります。

つまり、【簡易課税制度】 では、その店の基本となる販売・サービス形態を考えた上で適用する仕入率を決めています。 (※端的に表れているのが、飲食店が行う宅配・出前は、店内飲食と同類と考える点です)

それに対して、2019年10月1日からの消費税率として、持ち帰り用の食品の販売は 8%、店内のイートインスペースで飲食する食品の販売は 10%、飲食店での飲食は 10%、出前・テイクアウトは8% ・・・と示されています。

このように、「軽減税率制度」 では、主に ”店内で飲食するかどうか” で 8%・10%の区分けをしていますが、、、【簡易課税制度】 の考え方に合わせれば、例えば、イートインスペースで食べても(持ち帰り用の食品なのだから) 8%、飲食店が出前するのであれば(飲食店での飲食と同類なのだから) 10% ・・・として然るべきなのです。

つまり、現状では、仕入と販売で基準となる考え方が異なる、論理的に矛盾のある欠陥制度なのですよね^^;

このままいくのか、イートインや出前等の消費税率を見直すのか、もしかすると、【簡易課税制度】 の仕入率(事業区分の適用基準) を変える可能性もありますので、、、この辺りご関係のある方は、今後の動向に注意していただければと思っています。


消費税に関する大きな勘違い・・・

2018年11月08日 木曜日

「うちは消費税取ってないから!」 ・・・ こんなことを言う事業者さんを支援することがあります。 そうした人には、「その分 利益が減るので大変でしょ?」 と尋ねるのですが、、、多くはきょとんとした顔に^^;

販売時に消費税を取らなかったからといって 消費税が不要になるわけではない ・・・ということが分かっていないのですよね。  どんな販売の仕方をしようとも、非課税や免税等の場合以外、すべからく消費税は掛かってしまうのです。

例えば、10,000円の商品を販売する際には、本来、別途消費税 800円を頂いて 10,800円でお会計する必要がありますが、、、「消費税いらないよ!」 と言って 10,000円でお会計したとします。 すると、これは 「内税で販売した」 と判断され、本体 9,260円・消費税 740円 (※計算の仕方 = 10,000 ×(8÷108)≒ 740円) で販売したことになります。

つまり、「消費税いらないよ」 ではなく、「消費税込みで 10,000円で良いよ」 が正しい言い方になります。

ですから、課税事業者であれば、740円が申告するべき消費税になるし(※仕入時に支払った消費税 240円とすると、500円申告・納付することになります)、、、免税事業者であれば、申告・納付は不要ですが 単純に利益が 800円減ることになります。

ちなみに、消費税が導入され、2回引き上げがありましたが、課税事業者なのに未だに価格据え置きで 消費税を取らない事業者もいますが、、、

例えば、消費税導入前に 500円で販売していた商品は、1個販売するごとに、消費税率 3%で 14円、5%で 23円、8%で 37円、10%で 45円 ・・・と、税率が引き上げられる度に自社の負担が増していくことになります。

こうしたことを理解した上でやっているなら(利益を減らしても事業継続できるなら) 良いのですが、経営状態が思わしくないのにこうしたことをしている事業者さんが多いのも正直なところです><; (だから経営状態が悪くなるのか。。。)

消費税は、国の制度として掛かってしまうもの ・・・消費税導入時と違って、今は ほとんどの人がそうした認識になっているのですから、消費税分は別途で頂くようにしましょう!  今、急にそうするのも と思われるなら、消費税率 10%に引き上げる時が絶好のタイミングですので、この機会を逃さないようにしましょうね^^


正しい知識を持ちましょう・・・ (後編)

2018年10月20日 土曜日

(つづき)

【中編】 で、税率の違いで損するかどうか分かりやすくするために、実際にはあり得ない例を見ていただきましたが、、、悪知恵の働く人はピンとくるかも??

そう、軽減税率が適用されていない商品を 8%で販売すれば、納税額は少なくなります(・・・脱税ですが)。 例えば、食品(コーヒー豆) ・雑貨(マグカップ) の物販も行う カフェ(飲食提供)、、、税率はそれぞれ 8%・10%・10%ですが、気まぐれに雑貨も 8%で販売してみたりして。。。 (※脱税行為なので絶対にやめましょう!)

このように商品・サービスで税率が違うと、ちょっとした操作で簡単に脱税できるようになりますので、、、今後、消費税に関わる税務調査は相応に厳しくなることが想定されますね^^;

脱税するつもりはなくても、レジを打ち間違えたり 勘違いで 8%にしてしまう可能性もあるので、、、そうしたミスが起きないよう対策を考えておく必要がありますね。 ・・・修正申告は面倒だし、数年分の追徴課税を受けたりするとダメージ大ですので(涙)

(おわり)

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正しい知識を持ちましょう・・・ (中編)

2018年10月19日 金曜日

(つづき)

そもそも、消費税の納税額は、「販売の際に受け取った消費税」 から 「仕入等の際に支払った消費税」 を差し引いた金額となります。 簡単な例でいうと、「300円+消費税 24円」 で仕入れた商品を 「1,000円+消費税 80円」 で販売したとすると、納税額は、80円-24円=56円 となります。

それでは、税率の違いで損するかどうか分かりやすくするために、(実際にはあり得ないですが)こんな例を見ていきたいと思います。

「1,000円+消費税 100円(税率 10%)」 で仕入れた商品を 「1,000円+消費税 80円(税率 8%)」 で販売したとします。 ・・・1,100円で仕入れて 1,080円で売るので 20円店が損することになるのか??  いえいえ、80円-100円=△20円となるので、納め過ぎている 20円は国から返してもらえることになります。

だから、「店が負担しないといけない」 とか 「差額分は値上げしないと・・・」 なんていうのは全くもって意味不明^^; ・・・消費税というものは、あくまで預かったもの・預けたものであって、販売・仕入等の税率の違いで誰かが損(得) するというものではないことは理解しておきたいところですね^^

ちなみに、収益の面で損(得) することはありませんが、、、還付される分の金額は、申告後の入金までは事業者が負担することになるため、資金繰りの面では少し負担が増えることになるので注意が必要ですね。

(つづく)

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正しい知識を持ちましょう・・・ (前編)

2018年10月18日 木曜日

私はよく、日中の情報番組を録画しておき、帰宅してから 4倍速で流し見しています(気になるところだけしっかり見ます)。

最近は、各番組で、消費税率の引き上げについて積極的に取り上げていますが、、、解説、苦情、混乱の煽り、プロパガンダ等々、各番組特色があって面白いなと思って見比べていました^^;

そうした中で、誤った知識で解説する専門家や町の人の声も。。。

例えば、弁当販売(持ち帰り販売) について。
● 販売時の税率は 8%。
● 調理時の税率は、食材は 8%だけど、作るのに必要な電気・ガス・水道は 10%
● さらに、必ず必要となる トレイや箸の仕入は 10%。
● つまり、弁当を作るのに 税率 10%のものもあるのに 8%で売らなければならない

この差額分を値上げするか、いや、値上げできる状況ではないので店側が負担(損) することになってしまう。 ・・・こうした解説をされていたり、そんなことを言っている店の経営者もいました。

そう言われると、もっともらしく聞こえるし、「店は大変!」 「何でそんな制度にするんだ!」 と憤る展開になるのですが、、、消費税というものを理解している人からすると 「何デタラメ言って煽ってるの(笑)」 となります^^;;

(つづく)

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消費税率 10%への引き上げが表明されました。

2018年10月16日 火曜日

いよいよ消費税率 10%への引き上げ(2019年10月1日施行) が表明されました。

増税後の個人消費の冷え込み や 小売店での混乱を回避するために今から表明したそうですが、、、一般庶民は、もうそんなに余裕があるわけではないですので、今から家計を引き締めることで 更に消費が冷え込むことも懸念されますね。

ただ、事業者の対応が遅れることによる混乱は避けないといけませんので、対策を考えていない事業者が多い状況を鑑みれば、政府が表明したこと自体は良かったかなと思っています。 (引き上げの是非はまた別の話ですが・苦笑)

「また延期するのでは?」 と言って、全く対応を考えてこなかった人も多いですが、、、「号砲」 が鳴らされたわけですから、好むと好まざると、事業者としては粛々と準備を進めていかなければなりませんね^^;

特に、「単に税率が変わるだけ」 としか考えていない方は、結構大変なことになりそうな予感が、、、過去のコラムでお伝えしているように、その他 対応すべきことや今後の収益減少を防ぐための準備等も必要ですからね。

・・・ということで、只今、消費税率引き上げに向けて、自分は何をしておくべきか等の事前検討や対策のための計画策定など、今の内に見通しを立てておくための相談 を集中的にお受けしております^^

早く対策を始めるほど 1年後の事業展開が楽になりますので、先々を見据えて 今から頑張りましょう^^ノ

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消費税の税率変更は、多くの事業者に関係します (後編)

2018年10月08日 月曜日

(つづき)

そして、こうした日々の取引について、取引内容ごとに 税区分(10%か 8%か) を分かるようにして帳簿に記載しないといけませんので、経理システムの変更・改修等が必要になってきます。

また、こうした店に卸す業者の立場でいえば、ほとんどの場合、請求書を発行しているはずですが、、、「軽減税率の対象となっている品目等に それが分かるような印や記述」 と 「税率ごとの税込合計金額 (【例】 10%対象xxxx円、8%対象xxx円)」  を記載した 「区分記載請求書」 を発行しなければなりませんので、これまでのシステムの変更・改修等が必要になってきます。

消費税の引き上げというと、販売時の税率やレジ対応にばかり目を向けがちですが、、、、帳簿・請求書の書式変更やシステム変更・改修など、管理面で対応しなければならないこともありますし、慣れるまで時間が掛かったり、お金にまつわるミスは大きなトラブルにつながったりしますので、2019年10月1日から 滞りなく対応できるよう 早めに準備を進めていく必要がありますね。

(おわり)

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消費税の税率変更は、多くの事業者に関係します (中編)

2018年10月07日 日曜日

(つづき)

前段が長くなりましたが、「多くの事業者に関係する」 という点について。

「飲食料品 と それ以外の品目 を扱う場合」 や 「店内の食事提供 と テイクアウトや出前等の複合的な業態の場合」 には、相応に対策しておかないとトラブルが起きるのは想像できますが、、、よく耳にするのは、「うちは弁当売っているだけなので、税率変わらないから大丈夫!」 といった 自分にはあまり関係ないと思っている事業者の声。

さて、本当に 「関係ない」 で大丈夫ですか^^? ・・・意識しないといけないのは、消費税は売る時だけなく買う時にも掛かるという点です。 つまり、仕入や経費購入の際の消費税がこれまでと変わってくる可能性があるため、そうした管理を適切に行わないと、「申告の時に困ってしまいますよ!」 ということです。

例えば、総菜店は、弁当や惣菜を売るだけなら 販売に関わる税率はこれまでと変わらず 8%。 それに対して仕入は、食料品なので食材や調味料の多くは 8%ですが、みりんや料理酒(酒税法に規定する酒類に該当するもの) は 10%です。 また、容器・箸・ビニール袋等は 10%、厨房で使う洗剤・ゴム手袋・マスク等も 10%です。

例えば、洋菓子店は 惣菜店と同様に、販売や仕入に関わる税率のほとんどは 8%ですが、ブランデーケーキ等に使用する洋酒等(酒税法に規定する酒類に該当するもの) の仕入や、容器・ビニール袋 や チラシ作成等の販促費等は 10%です。 ちなみに、店内に喫茶等の飲食スペースがある場合、そこで提供するケーキや飲料の税率は 10%になります。

例えば、飲食店は、店内での飲食提供については 「外食」 なので 10%ですが、酒類に該当しない食材・飲料の仕入は 8%になりますね。 ちなみに、ビールの仕入は 10%ですが、ノンアルコールビールの仕入は 8%になります。

このように、経営全体で見ると 「税率が一律ではない」 ということは 意識しておかなければなりませんね。

(つづく)

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