03-戦略策定記事一覧



外国人技能実習生を巡る問題 (その1)

2018年12月05日 水曜日

大手衣料品チェーン 「しまむら」 が、下請けの縫製工場で 外国人技能実習生が違法に働かされていたことを受け、全ての取引企業に対し、技能実習生への人権侵害が無いよう求める通知を出す ・・・とのこと。 以前、ワコールでもこうした通知を出して話題になりましたが、昨今の国会審議なども受けて、ますますこうした動きは強まることでしょう。

ところで、この下請け企業、「最低賃金以下で長時間労働させていた」 とのことで、7月に、企業名や現地の様子がニュースで流れましたが、今回の動きで 再びそうした映像や実名が流れるとは、、、現在改善されているのなら ちょっと可哀想な気もしますが、「悪いことをすると いつまでも付いて回る!」 ということは、他人事と思わずに学んでおきたいところですね。

一連の報道を見ていると、なんとなく、この縫製工場は悪 ・ 「しまむら」 は善 ・・・といった印象を受けるのですが、そうとも言い切れないような。。。  もちろん、この縫製工場を擁護する気は 1ミリも無いのですが、そうするに至った背景を考えると、、、端的に言えば、「しまむら」 は適正な工賃を払っているのだろうか? というところが出発点のように感じます。

値下げ要求 ⇒ 低賃金で働かせることで対応 ⇒ 更なる値下げ要求 ⇒ 更なる低賃金にするために外国人を雇用 ⇒ 更なる値下げ要求 ⇒ 違法行為で対応 ・・・今どの段階かはそれぞれありますが、工場だけでなく飲食・サービス業も含めて、労働集約型の産業は、多かれ少なかれ こうした流れに陥っているのが実情だと感じています。

違法行為は絶対にしてはいけないので、そこを厳しくするのは良いのですが、、、それと同時に、「発注者が適正価格で発注しているのか?」 ということにも切り込んでいかなければ、ただ廃業が増えるだけとなってしまうことを危惧しています。

(近い内に 「その2」 を投稿します)


野菜工場再び・・・

2018年11月29日 木曜日

昨日、セブンイレブンが、東京都や神奈川県の店舗で販売するサラダ用の野菜を作るための専用工場を、来年 1月に稼働させると発表しました。 60億円かけて建設した工場では、1日3トン(サラダ 7万食分) のリーフレタスが作れるのだとか。

私が 「野菜工場」 というものを知ったのが 2011年の春ごろ。 その頃は、研究を進めながら 手探りで改良を重ねている段階でしたので、世間にはあまり知られることがなく、知った人の反応も懐疑的な意見が多かったように思います。 (私は、理学部生物学科の出ということもあって すぐに飛びつきましたが・笑)

それから、「いちごが作れるようになった」 とか 「西アジア等の砂漠で野菜を作るプロジェクト」 とか、産学官連携が進むにつれて 世間にも知られるようになり、、、その内、スーパーに並ぶようになり 飲食店で使われるようになり ・・・という感じで徐々に認知度が増していったように思います。

しかしながら、2011年に視察に行った 「野菜工場」 の先駆者 (株)みらい が、2015年に民事再生(※その後、事業譲渡が成立し、MIRAIに社名変更して事業継続中)。 やはり安定供給先(販路) が確保できないと、大規模な事業としては難しいのだろうか ・・・と残念に思っていましたが、、、災害続きで野菜の安定供給が難しい時代になって、ついに流通大手が動いたか! という感じです。

私も 2011年当時、「廃校を活用した野菜工場」 なるものを提案したことがありましたが(その他、養蜂・体験農園・カフェ等を組み合わせた廃校活用プロジェクト)、、、農業県であるが故の 野菜工場アレルギー(&新しいものに対する防衛反応) により、あえなく断念(苦笑)

それでも、農業従事者の高齢化・後継者の不在、台風・大雨・洪水等の災害の多発、高まる安全性要求水準など、近年の野菜を取り巻く環境を考えると、、、「野菜工場」 は 1つの解決策になるのでは? ・・・と何年もの間、思い続けているのでした^^


レジ袋が有料化されると? (続編)

2018年11月14日 水曜日

1カ月ほど前に書いた 「レジ袋が有料化されると?」 の続編です。
 【前編】 http://consult-k.jp/colum/?p=11875
 【後編】 http://consult-k.jp/colum/?p=11879

この 1カ月の報道では、「スーパーやコンビニ」 といった表現ばかりのため、「他の業界はどうするんだろ?」 「反対する業界も多いんだろうな」 なんて思っていましたが、さすが外資は動きが早い^^ ・・・アパレル大手(世界第2位) の H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ) が、買い物袋を紙製に切り替え、有料化すると発表しました。

中々の動きの早さで、12月5日から順次、国内 88店で使う買い物袋を紙袋に替えていき、紙製かプラスチック製かにかかわらず、買い物袋 1つ当たり 20円で有料販売。 これにより、袋の消費量全体を 2019年に 2018年の半分に減らす計画とのこと。

日本企業だと、「有料化すれば売れなくなる」 とか 「お客様から苦情が来る」 とか なんかグダグダ言いそうですが、、、環境保護は世界的な動き ・・・さすがグローバル展開の企業です♪

良品計画も、2019年4月から、まずは店舗限定でテスト的な実施のようですが、買い物袋を原則紙製にすると発表しており、、、これでユニクロが反対する・対応が遅れるなんてことになると企業イメージが悪化するため、早々に追随することになるのかな? ・・・となれば、他の企業も追随しなければならない流れになることでしょう。

そして、1つの業界が動けば他の業界も動かざるを得ず、同様に、大企業が動けば中小零細も動かざるを得ず ・・・ということを踏まえて、自社はどのような対応が必要になってくるのか、今の内に検討しておいていただければと思っています^^

余談ですが、、、H&Mで買い物をする時に、”以前もらった H&Mの袋” を持って行って入れてもらうのは良いと思いますが、、、”ユニクロやZARAの袋” を持って行ったら苦笑いされるでしょうかね^^;


有休取得が義務化・・・対応を検討していますか?

2018年10月24日 水曜日

2019年4月1日より、年次有給休暇の取得が義務化されます。 これは、年 10日以上の有休が与えられている労働者について、年 5日は必ず取得させるよう 使用者に義務付けるもの (※労働基準法に規定されます)。

私が会社員時代を振り返れば、年20日の有休の内、取得できるのは頑張っても 8-10日だったので、毎年10日以上は捨てていくことに、、、しかも、多くは病院に行く時や、「もう無理!」 とダウンした時にしか使えない感じでしたし、具合が悪く 2時間早退するのを 「有休」 と称していたり・・・^^;

似た境遇の方も多いと思いますが、有休制度にやっとメスが入った状況ですね。

ただ、労働者側からすれば、5日分しか義務化されないのはおかしな話で、当然の権利なのだから 100%消化であるべき(消化できないなら会社が買い取るべき) と思うのですよねぇ。 一方で、経営者からすれば、特に取得率の低い業種などは、「100%消化なんてされたら たまったもんじゃない!」 というのが正直なところでしょう。

・・・この辺りの “とりあえずの落としどころ” が 5日取得の義務化なのでしょうね。 ただこれも、働き方改革 や ブラック企業根絶の風潮 からすれば一時的なもので、今後、もっと労働者側の意向に沿う制度になっていくことでしょう。

経営者としては、そうした流れに上手く対応できないと、人手不足や有能な社員の流出を招いたり 労基署に入られたり・・・といったことに直結しますので、、、今の内に対応を検討していただければと思っています。


どのような影響があるか 考えておきましょう・・・

2018年9月26日 水曜日

数日前、三陽商会より、約250人の希望退職者を募集したと発表されました。 いつ出るかな?という状況ではありましたが、、、いわゆるバーバリーショックから立ち直れず、リストラ策が 1段階進んだような印象。

こうした時、往々にして必要な人財が多く流出するので、、、固定費が削減されて財務体質が改善するのは瞬間的なことで、さらなるリストラ策を進めていかなくてはならないでしょう>< ・・・それにより、例えば、堅調なブランドなのに取引条件が厳しくなる、小まめな営業がしてもらえなくなるなど、取引先方々に影響があることが懸念されますね。

そして、本日、三越伊勢丹ホールディングスより、3店舗の閉店が発表されました。 府中伊勢丹に新潟三越、、、知っている店がなくなるのは寂しい限りです。

地域にとって、核となる店(=実際に足は運ばなくとも、地域の顔やランドマークになる店) がなくなるのは大きな痛手、、、これから、人の流れや地域の活性化度(魅力度) にも影響が出てくることでしょう>< (・・・例えば、新潟三越の閉店によって、古町地区活性化の大きな拠点が失われることになりますね)

大きな動きがあると、巡り巡って 自社の経営に影響が出てくる可能性があるので注意が必要です。 ・・・皆さまの業界や地域では、そうした動きはありませんか?


消費税引き上げ対策は もう始めないと・・・

2018年9月20日 木曜日

本日、自民党の総裁選=内閣総理大臣が決まる日ですが、全く興味ありません、、、正直、茶番も良い所なので。 そんなことに時間もお金もさくくらいなら、もっとやることあるでしょうに・・・(苦笑)

さて、どちらが内閣総理大臣になろうとも、消費税 10%への引き上げはなされるようで、それはもう 1年後のことですね。 まだ 1年あるなんて思っている人も多いようですが、、、業界(扱う商材) によっては、対策を始めていなければならなかったりする時期です。

アパレル業界では、例えば、18秋物の売れ残りは 19秋の立ち上がりでキャリー販売できます ・・・しかも、8-9月は駆け込み需要が期待できるので、大目に在庫が残っていても 通常よりさばけることでしょう。 しかし、18冬物をキャリー販売しようとすると、19秋に残暑が続くと敬遠されるし、9月中にさばけないと 10%引き上げ後の消費の冷え込みで大量に残ってしまうことに、、、

となると、18AW商戦は、例えば、秋物は 利益率重視で多少在庫が残っても良し、冬物は オフ率高めでシーズン中の 100%消化を目指す、18AWの利益率は 秋物・冬物のグロスで維持する形にする ・・・といった方向性が考えられますね。 また、19AW商戦は、特に 10-12月は急激に消費が冷え込むでしょうから、それに合わせたお値ごろ商品を確保しようとすると、18AWの未消化在庫をシーズンエンドに安値で仕入れておくことも考えられますが、そのための資金計画を今の内に立てる必要がありますね。

以前から何度かコラムにも書いていますが、、、誰もができる・やって欲しい対策としては、10%引き上げ後の消費の冷え込みを乗り切れるように、今の内から少しでも多く利益を稼いでおくことです。 ・・・特に、秋に売上のピークがくる事業者さんは、来年秋の落ち込みをカバーできるくらい今年稼いでおく必要がありますね^^


業態開発・技術革新が進むアパレル業界。

2018年9月14日 金曜日

先週までの暑さから一転、今週は涼しい というか 肌寒い日が続いていますね。 日曜日頃にまた 30度以上になる予報が出ていますが、この数日を体感した後には、もう夏には戻れず 気分は秋モード、、、ということは、アパレル業界にとっては一気に秋物最盛期に突入です♪

アパレル業界ではこの 1-2年、レンタル業態、新たな IT技術を取り入れた接客手法や受注生産方式、AIによる需要予測やトレンド情報の収集など、新たな業態や技術が続々と登場しています。

こうしたものを必ずしも取り入れる必要はないけれど、縮小するアパレル業界の中にあっては、新たな試みを導入した企業の業績が伸びる = 他社の業績が下がるというパイの取り合い状態になっていますから、、、少なくとも 新たな情報は必ず掴んでおき、自社にどのような影響があるのかを検討しておく必要がありますね^^


情報をどう読むか・・・

2018年9月10日 月曜日

2018年4-6月期の GDPが、物価変動の影響を除いた実質で前期比 0.7%増と、速報値から大幅に上方修正されたと発表されました。 これは、企業の設備投資が好調だったことによるもので、このペースで 1年続いた場合、年率換算で 3.0%増にもなると沸き立っているようですが・・・。

たしかに、設備投資は、それだけ資金(余力)がある、受注環境が良好であるとの見方もできますが、、、我慢に我慢を重ねてきた企業がいよいよ設備更新せざるを得ない状況になったとか、今年度は IT・AI投資に関する補助金が多く出ているため この機会に設備投資したとか、消費税引き上げを見据えて早めに設備更新しておこうと思ったとか、必ずしも今後の景況感にプラスになる理由だけではなかったりしますね^^;

しかも、設備投資は、全体的な景況感が回復していなければ瞬間的なもので終わってしまいますし、人手確保に困る企業が 新設備導入により少人数でも対応できるようにしよう・・・といった意味合いの設備投資も増えており、先々には先進設備導入に伴う雇用問題(失業者増加・低賃金化) につながる という懸念もありますね^^;;

・・・と考えれば、今回の GDPの上方修正が手放しで喜んで良いものか、微妙な感じがしますね^^;;;  皆さまは、GDPの大幅上方修正を どのように捉えていますか??


曲げてでもやることの是非・・・

2018年8月28日 火曜日

テレビを見ていると、某企業の特集をやっていました。 この企業は、ほとんどの国民が知っているといっても過言ではないくらいに近年有名になった企業ですが、実は、私は あまり好ましく思っていませんでした。

・・・というのは、この企業に買収された企業と、その買収された企業の取引先企業を知っているのですが、突然の買収によって惨たんたる状態に。 まあ、買収した以上、経営効率を追求するのは至極当然で、粛々と買収先企業を造り替えていくのは仕方のないところですが、、、買収される前を知っているだけに、その後のリストラの様子を耳にすると哀しいものが込み上げてきます><

それでも、注目されている企業なので その特集を見ていたのですが、、、実は、その企業も業績不振の時期があり、泣く泣く社員を半分にする等のリストラを行って生き残ってきた過去があったとのこと。 ・・・なるほど、そうした企業であれば、買収先を切り刻むのはわけもないか・・・と思うのと同時に、そこまでしてきた過去があったからこそ、倒産することなく生き残り、急成長を遂げたのか・・・と思いました。

社員は大切、商品への想いも大切、これまでの歴史も経営理念も大切、、、企業経営の中で大切なことは沢山あるけれど、それを曲げてでもやらなければならないこともあるよなぁ、でも、曲げたらいけないこともあるよなぁ ・・・そんなことを思い悩む 深夜就寝前のひと時でした。


最低賃金が上がって困ること・・・

2018年7月25日 水曜日

最低賃金がまた上がりました。 16年度から 3年連続の 3%アップ、、、規模が小さい会社ほど、パート・アルバイトの時給を最低賃金にしていることが多いため、中小企業というか 小規模事業者の経営者にはツライ状況が続きますね。。。

さて、こうした時に困ることが大きく 2つあります。

まずは、最低賃金で雇っている従業員の賃金(キャッシュアウト) が 単純に 3%増えること。 また、当初は最低賃金で雇っていても、その働きぶりや年次の昇給等をすることがあると思いますが、そうした従業員の賃金は据え置きとなると それはそれで問題が生じる懸念がありますので、、、結局、多くの従業員の賃金を底上げしないといけなくなってくるのが実情。

・・・こうした人件費が増加する分、昨年より粗利が増えているなら問題ありませんが、、、そうでないなら費用負担が大きくなるため、別の支出を減らす、値上げする、従業員の労働時間を減らす等々、何か対策を講じなければなりませんね。

そして、いわゆる扶養の範囲内で働きたいとしている従業員がいる場合、、、具体的には 130万円(社会保険の扶養要件)の壁を意識しないといけません。
【※1】 これまで 103万円(所得税の扶養要件) と 130万円(社会保険の扶養要件) の壁がありましたが、制度改正により 2018年から 103→150万円に引き上げられました ・・・しかし、130万円の壁は残っているため、実質的には 130万円の壁が意識されることになります。  【※2】 小規模事業者は該当しませんが、106万円の壁が新設されたので注意も必要です。

・・・賃金を上げることで 130万円を超える可能性があれば、基本的には従業員は勤務時間を減らすよう要望しますので、、、つまり、それで仕事が回らなくなりそうなら、新たな働き手を探す、機械・設備を入れて働き手が減っても仕事が回るようにする、提供するサービスを減らす・簡素化する、営業時間を短くする等々、何か対策を考えなければなりませんね。 ・・・この辺り、フルで勤務(130万円ギリギリまで勤務) している従業員が複数人いると 大変かもしれませんね><

いくら政府が 「景気が回復している」 とPRしても、それは大手企業を中心とする話、、、産業を支える中小企業・小規模事業者は実質的にその恩恵を受けられていませんので、人件費負担は重くのしかかってくるはずです(・・・3年連続の引き上げですから)。 さらに、130万円の壁があることで、最低賃金引き上げの恩恵が受けられない人も多く存在するでしょう(・・・労働時間が少なくなる恩恵は受けられますが)。

さらに、社会不安も払拭されない中、賃上げ→所得向上→消費拡大→企業業績向上 と好循環するのか、単に中小企業・小規模事業者の体力を年々奪うだけなのか、、、残念ながら後者の可能性の方が高いと感じています><

これまで、パート・アルバイトが複数人いる支援先には 口を酸っぱくして言ってきましたが、、、最低賃金の上昇(=人件費負担の上昇) はまだまだ続くことを念頭に、今後の防衛策を検討していただければと思っています。